ひとつだけでは、多すぎる。

とあるゲイの備忘録。35歳。鹿児島在住。

国立科学博物館 特別展 深海 2017 に行ってきた

shinkai2017.jp

今回東京に行って、国立科学博物館 特別展 深海 2017 に行ってきました。自分は海に関わる仕事をしていることもあり、とても楽しみにしていました。
平日だったのですが夏休みのためかとても混んでいました。チケット買うまで10分くらいかかったのと、中でも人がごった返している感じでした。10月1日までやっているそうなので、9月の平日がおすすめです。チケット代は大人1,600円なのですが、金曜日の夜はペア割(?)みたいなのがあるようです、2人で2,000円で入れるようです。企画自体が深海を扱っててブースもちょっと暗めなので、彼氏彼女と行っても楽しいかもしれません。ロマンチックな感じは全くないのですが、キモい生物がたくさん展示されてて楽しいです。

展示を見て感じたのは、深海の生物って基本的にダイオウイカとかメガマウスみたいに巨大化してるものだと思っていたんですが、多くは普通サイズ(うーん、表現が難しいけど)の魚でした。大きさとかスケール感って、実際に見ないとわからないですよね。これが博物館とか美術館に行く理由かなと思います。

光る深海生物も色々と集められていましたが、光るにも色々な理由がある(本当かどうかは、僕にはわからないけど、そういう説があるということで)ということで、例えばチョウチンアンコウのように光で餌となりうる小魚を集めたり、姿をくらませるために光ったり、一番これ本当か?と思ったのは、自分を捕食する生物を捕食する生物を呼び寄せるために光る、というやつでした。他力本願すぎるし、そんな観測を積み重ねることってとても難しいと思うんだけどなぁ。でも、なんだかんだ言って、光のない真っ暗闇で、ほわん、と優しい光をみたら引き寄せられる気持ちはとてもわかるなぁと科学博物館で文学的なことを考えてしまいました。実際は、光のないところで暮らしている深海生物にとっては、ドラゴンボール太陽拳を食らった感じで眩しすぎるのかもしれないし、そもそも光を感じる器官がないかもしれないけど。

また、興味深かったのは、深海の水圧についてです。何千mもの深さになると、1㎠に600kgもの力がかかるそうです。ブタメンのカップが圧力に応じて縮んでいっている展示がありました。よくそんな圧力の中、深海生物はひらひらふわふわ動くよなぁ、と思ったんですけど、なんででしょ。理系なのにあまりイメージがつかないです。6,000mを超えると魚を合成するタンパク質が圧力で変質するらしく、その水深以深には、魚は基本的にはいないそうです。しかし、現在見つかっている一番深いところで取られた魚は、8,500mくらいのところでとれたという論文が展示されていました。

深海展とはあまり関係ないのですが、昔から海ってとても不思議だなぁ、と思うことがあります。それは、釣り糸で魚が釣れるということです。めちゃめちゃ広い海に本当の点の餌なりルアーなりを投げ入れて、よく魚がかかるなぁ、海の中の魚の密度どうなってるんだ!ということです。初めて海で泳いだとき、そこにはたくさんの熱帯魚が泳いでいたのですが、それでもどこにでもいるというわけではなく、ところどころいるという感じでした。この広い海で釣りが成立する不思議、この感覚わかる人いるかなぁ。深海ならなおのこと、どのくらいの密度で生物が分布してるんだろう。人間が調べきれていないだけで、ひょっとすると意外と生物は意外とたくさんいるのかもしれない。

展示の後半には、防災に関する展示や資源に関する展示があり、自分のとても興味がある分野なのでとても楽しめました。地球科学という自分のバックグラウンドに近い展示だったのでとてもよく理解できたし、深海生物の展示に対するような、すげーっとかキモいとかの単純な感想以上に得られるものがたくさんあったと思います。もちろんたんに驚いたりするだけでも博物館に行く価値はあると思うけど。

そんなこんなで楽しい博物館でした。ぜひいってみてください。

おしまい。