ひとつだけでは、多すぎる。

とあるゲイの備忘録。35歳。鹿児島在住。

Sexual Health外来に行ってみた-パート2。PEPとPrEPについて。

長いので3文でまとめ
6月に行った国立国際医療研究センターのSexual Health外来に再び行ってきて性病の検査を受けたら結果は陰性でした。
検査後、HIVの予防薬であるnPEPとPrEPについてのアンケート調査を受けました。
nPEPとPrEPは、避妊用のアフターピルのようなもので、HIVに対する薬の進化に驚きました。
 
この記事のとっかかりは、この記事((http://takafumin.hateblo.jp/entry/2017/06/19/221536))をご参照ください。この研究は、3か月ごとに受けるべきなのですが、申し訳ないことに5か月以上も空いてしまいました。2回目の検査はとてもスムーズで前回もらっていた検査キットを使って予め検体を用意しておきそれを渡すだけです。それ以外には血液検査と問診があるだけでした。血液検査の結果が当日にわかるのですが、医師から結果を聞くためには1時間30分待たなければならないので、病院にいた時間はトータル2時間程度でした。医師から結果を聞かない場合には、メールで結果を送付してもらうことも可能なので、最短30分程度で終えることも可能です。今回も幸いなことに陰性だったことにほっとしました。医師から検査結果を聞いた後に看護師さんに抗HIV薬の暴露後予防内服(nPEP)とHIV暴露前感染予防(PrEP)に関するアンケート調査への協力を求められました。とても簡単にいうと前者(nPEP)はHIV陽性の人との危険な性交渉後に抗HIV薬を服用することでHIVウイルスを体内からなくすというもので、女性の妊娠に対するアフターピル的な役割をするもの、後者は普段から抗ウイルス薬を服用することで体内の抗ウイルス濃度をあげておいて、HIVウイルスが侵入してきた際に叩くというもので女性の妊娠に対するピル的な役割をするものです。
看護師さんの説明だと現在でもHIV検査100のサンプルから3つくらいは陽性反応が出ているとのことでした。自分の周りでHIVに感染している人は聞いたことがなかったため、少なくとも自分の周りのHIV罹患率は0%であり、正直3%という数値に対しては高いなぁと驚きました。
nPEPやPrEPという薬に関しては、検索すれば簡単に情報が出てくると思うので、この記事では詳しい説明は割愛して、現状この治療を受けた場合の医療費等について、上述のアンケート調査の際に教えていただいた内容をまとめます。これは国立国際医療研究センターで受診した場合の一例なのでご参考まで。
 
1.nPEP(post exposure prophulaxis; 曝露後予防内服)
アフターピル的な薬です。HIVに感染したかもしれない行為の後72時間以内に抗HIV薬を内服して、HIVに感染するリスクを低下させる予防策です。nPEPは、1日1回or2回の薬を28日間飲み続ける必要があります。
日本では、性交渉後の暴露後予防を目的とした抗HIV薬内服は未承認です。
初診料 20,000円
薬剤費 10,000円/日 よってトータルで28万円
だいたい合計30万円で、nPEPの治療は受けられるようです。曝露後72時間とこの金額がネックになりますね。 
 
2.PrPE(pre-exposure prophulaxis; 曝露前予防内服)
ピル的な薬です。
前提としてHIVに感染していないことが条件。これはもしHIVウイルスを持っている状態でPrPE(弱い抗HIV)を体に入れてしまうと、体にもともとあるHIVウイルスが、抗HIV薬に対して耐性をもってしまい、通常のHIVの治療が難しくなるためとのことです。
こちらに関しては、毎日1回、抗HIV薬を飲み続けるというものです。感染していなくても飲み続けておく必要があります。もちろん日本では今のところ保険も効かないため、『月に10万円程度かかるようでジェネリック薬を使っても月に一万円程度はかかるようです』(『』の部分については、メモを取ったのに紛失したため、記憶だけを頼りに書いています。不正確だった場合は申し訳ございません)。また、もちろん対象にしているウイルスはHIVだけなので、その他の性感染症には効力を発揮しません。
 
というわけで、お金の問題が結構大きいかなぁと思いました。安全な性行為をしていればよいのでしょうが、事故もあるだろうし情動による衝動もあるでしょう。薬の進歩に驚きつつ、開発してくれている方々に敬意を払いつつ、薬の恩恵にあずからないでいいような生活を送ろう(りたい)。
 
おしまい。