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ひとつだけでは、多すぎる。

とあるゲイの備忘録。33歳。東京在住。

人のセックスを笑うな 山崎ナオコーラ 河出文庫

ー寂しいから誰かに触りたいなんて、ばかだ。
 
恋愛小説を読んだり、恋愛ものの映画を見たりするなんて、時間の無駄だ。ーと考えていた私が、これまでに唯一読んだ恋愛小説です。中高生の時に、世に普通に流通していた恋愛小説は、異性愛ものだけだっただろうし、きっと、BLって概念もまだメジャーではなかったんじゃないかなぁ。そもそも、同性愛者ってことだけで悩んでた中高生時代に、他人の恋愛話なんて語られても上の空だったし、実感として、人を好きになるということに対しての恐怖心とか、そうなってしまった時の苦しみが大きすぎて、ハッピーエンドだろうがバッドエンドだろうが、恋愛を扱う作品に対する興味はありませんでした。まぁ、自分が体験できないこと(できないと思っていたこと)を、読み聞かせられても、気持ちもわからないし、もしいいなぁと思えることがあっても、その分できない自分に絶望したと思います。だから、そういう情操は育っていなかったのかもしれず、大学の時の友達が、付き合っていた子と別れた時も、普段はとても明るい友達がふさぎ込んで、がっこうにもこれないし、なんかすぐうるうるしてるの見ても、「え、なんだこいつ、アホちゃう?」と思っていたものでした。自分も失恋を経験してですが、その時の自分をフルボッコにしたい気持ちでいっぱいです。ナントカさんは、「ゲイは何か足りない気がする」と言ったもので、この言葉自体はとても嫌いですが、この点ばかりは、「あぁ、そうだよな」と思うのです。でも、機会がなかったことが、相手への思いやりがもてなかった理由にはならないので、そこを想像力でうめなければならなかったのだろうけど、前述のとおり機会のなさが想像力を育むはずの読書等の経験を遠ざけていたという感じです。若干トートロジーな感じで意味がよくわかんないけど笑。
 
この本を読んだのは社会人になってからで、初めて人を好きになって付き合った時に読んだ本のうちの一冊です。引越しのに時をしていて、本棚に本を詰め替える際に出てきました。
 
冒頭の文章には、付箋が貼られていました。当時の気持ちは、「うーん、こんなに好きすぎて、1秒も離れたくないし、すぐ寂しくなるし、一緒にいるときはずっと触れてたいっておもってるのに、それじゃだめなの?」と思っていました笑。バカだし、若干危ないですね。若気の至り改若ゲイの至りでしょうか。この態度を許容してくれた当時好きだった彼氏の器もちょっとでかすぎて怖いです。今ならもっと余裕ができて、寂しかったら、他で気を紛らわすとか、適当に自分の好きなことに集中するとかできるんですけどね。自分もようやっと大人になれた気がするのでした。
 
本の感想があまりないですが、私が唯一読んだ、でかつ2度、3度と繰り返し読んでいる恋愛小説です。虫歯と優しさというもう一つの小説も心がキュッとするような話です。
 
3時間もあれば読める本なので、GWにでもどうぞ。
Have a great vacation!!!

 

人のセックスを笑うな (河出文庫)

人のセックスを笑うな (河出文庫)

 

 おしまい。