ひとつだけでは、多すぎる。

とあるゲイの備忘録。35歳。鹿児島在住。

イカちゃんクマちゃん ② 三木よう子 角川書店

待ちに待った イカちゃんクマちゃんの2巻です。1月25日発売でした。

今回はイカちゃんの会社での活躍や挫折が描かれていたり、クマちゃんのほうとう屋が繁盛する話があったりと、二人(?)の仕事の話がいくつか入っています。
イカちゃんが海外出張するのですが、外国人とのコミュニケーションに苦心する様子や挫折後の頑張りは、自分が社会人1年目のころを思い出しました。

一番気に入った話は、イカちゃんが転勤するかもという話でのクマちゃんの反応でした。

 

 

イカちゃんクマちゃん(2)

イカちゃんクマちゃん(2)

 

 おしまい。

それからはスープのことばかり考えて暮らした 吉田篤弘 中公文庫

なんとなく、amazonをふらふらしていて見つけた本です。
タイトルに魅かれて購入しました。
主人公のオオリさんの日々の日常を描いたような作品でした。
感想は、僕の好みには合わなかった、といったところです。
恋愛小説でもなければ、何か人生訓のようなものを感じることもなければ、
というように、自分の心の琴線に触れるものがほとんどなかったです。
帯に書かれた本文の紹介が、
「あのね。恋人なんてものは、いざというとき、ぜんぜん役に立たないことがあるの。これは本当に。でも、おいしいスープの作り方を知っていると、どんなときでも同じようにおいしかった。これがわたしの見つけた本当の本当のこと。だから、何よりレシピに忠実に作ることが大切なんです」
とありますが、恋人を役に立つか立たないか、ということによって
評価・判断をしたことがない僕は、
この帯を見ただけで、正直全部を読み終わることができるかな、と不安になりました。
Amazonで買ったので、購入前は、レビューしか見れなかったんだよなぁ。。。
まぁ、なんだか、村上春樹の「風の声を聴け」を、大学一年生の時に、初めて読んだ時のような、
胸のあたりがもやもやする、言ってしまえば、後味の悪い、感じでした。
一方で、村上春樹は、年齢を重ねて、人生経験を積めば積むほど、
「あぁ、わかる気がする」という点が多々ある気がするので、
僕が、今回の「それからはスープのことばかり考えて暮らした」に出会うのが、
一寸、早かっただけかもしれないです。

 

それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫)

それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫)

 

 

おしまい。

きっと、うまくいく( 3 idiots )

はじめてインド映画を見ました。
インド映画のイメージって、大勢の男女が歌ったり踊ったり、
なんとも騒がしいイメージしかなかったのですが、
この「きっと、うまくいく」という映画は、
友情、恋愛、お金、夢という、人生にとって重要なテーマによって、
構成されているとても密度が濃い映画でした。

映画の時間も3時間弱あるのですが、
退屈しないので、あっという間に過ぎていきます。

いろいろと印象に残るシーンはあるのですが、
「きっと、うまくいく」と和訳される、
「All is well」という言葉が、映画を見終わった後にも心に残ります。

現状への心配、将来への心配いろいろとありますが、
結局は、「きっと、うまくいく」ということ。

現状を楽しむことが、今を幸せにして、未来を明るくするという、
当たり前といえば当たり前なのに、これほど実行するのが難しいことも、
そうないですよね。

見ていて明るくなる映画でした。
おすすめです。

 

 

 


おしまい。

Catch me if you can 映画

Catch me if you can という古い映画を見ました。

レオナルド・ディカプリオトム・ハンクスが出ています。

フランク・W・アバグネイルJr という、実在の詐欺師の話です。

小切手の偽造や職業の偽造(パイロット・医師・弁護士)を繰り返す話です。

驚くべきことは、詐欺事件を起こしていたのが、17歳から21歳という若さということと、

なりすました職業がどれも専門性の高いものであることです。

弁護士だけは、司法試験をパスしたとのことですが、

実際はどうだったかわかりませんが、映画では2週間勉強しただけでパスした、

‘didn't cheat‘  -ずるはしてない

とのセリフがありました。アメリカの司法試験ってそんなもんなのか(笑)?

 

犯罪者は、もっとクールなイメージがあるのですが、

映画の中で描かれるフランクは、愛に飢えた寂しがり屋の印象を受けました。

逃げ続けることでスリルを感じたり、

誰かから追いかけられることで他人の自分への興味関心を感じたかったんでしょうか。

 

レオナルド・ディカプリオトム・ハンクス両方とも演技が上手で、

引き込まれてしまいます。

 

最後は、驚きの結末なのですが、現実でも実際そうだったようで、

才能があるということは素晴らしいことだなと羨ましくなってしまいます。 

 

僕は、生まれ変わったら次はどういう職業に就きたいかというと、

1.司法関係   自分の身は自分で守る、人を助ける的な

2.学校の先生  若い人のお手本になったり、研究したり的な

3.薬剤師    化学が好きだったこと、安定した高収入的な

 

1.2.については現世でも可能かな(笑)。

 

おしまい。

日本名詩選1 [明治 大正篇] 西原大輔 笠間書院。

好きな詩はなんですか?
なんて聞かれることは、まずないだろうけど、
もし聞かれたら、この詩をあげます。

 

地平線

 

かの女の白い腕が

私の地平線のすべてでした。

 

マックス・ジャコブ作

堀口大学

 

たったの2行だけど、
ここまで、僕自身の感情を揺さぶった文字はありませんでした。

初めて、好きになって付き合った大好きな人と、別れた直後にみつけた詩だから、
甘美な初恋の思い出と同時に、

当たり前にあったはずの地平線を失ってしまったような焦燥と、

また、地平線はまたいつかきっと見つかる、という安心を与えてくれました。

詩や俳句を鑑賞すること自体が好きというわけではないし、
まして、作者の意図を、文字から読み取るのは、結構難しいのですが、
こういう、解説がついている本だととてもわかりやすいです。

パラパラめくって、好きな部分だけ読むことができるのも魅力的です。

仕事で異動の内示を受けて、どうすればいいかわからない今日この頃。

Life goes on.

 

 

日本名詩選1[明治・大正篇]

日本名詩選1[明治・大正篇]

 

 おしまい。